図面を書く前に建具の開閉金物の違いを把握しておきたいけれど、
いくつか種類があり違いが分かりにくい。
こうした悩みを解消するには、建具の開閉金物は代表的なもの複数を、
【開閉を行うための開閉金物】:建具の必須機能
【自閉式扉用の自閉式機能をもつ開閉金物】:防火戸のように手を離すと自閉し安全に区画してくれるもの
に分類するとどのような金物なのかが分かりやすくなります。
この記事では上記順に沿って、
- 【開閉金物2種類】
- 【自閉式扉用の開閉金物3種類】ばねと油圧機構を利用して閉鎖。
について記事にしました。
開閉機能に自閉機能を加えたい場合は、2つの金物を組み合わせればいいだけです。
場合によっては開閉機能と自閉機能の両方をもつ金物もありますので、補足で覚えていけばいいと思います。
【開閉金物2種類】
丁番(ヒンジ)
開閉金物の一つ目は、丁番です。
ヒンジと聞くと、建築学生以上の方は構造力学から回転のみは自由ということを連想されると思います。
丁番(ヒンジ)は、扉の場合、
扉の上下左右は動かないよう固定されていますが、回転は自由な支点のこととなります。
丁番によって扉の開閉が可能となります。
ただし、丁番の中でも自由丁番に関しては、ばねの力で常時閉鎖の状態にすることができます!
ピポットヒンジ
開閉金物2つ目は、ピポットヒンジです。
ピポットヒンジは、
扉の回転の支点となる金物が扉の上下に取り付けられています。
そのため、金物が正面から見えにくい点が特徴です。
丁番と異なる点は、支持する部分が扉の上下になるという点です。
事務所ビルなどの鋼製建具ではピポットヒンジが用いられ、住宅などの木製建具では丁番が用いられることが多いです。
【自閉式扉用の開閉金物3種類】ばねと油圧機構を利用して閉鎖
自閉式の扉は、ばねと油圧機構が金物に組み込まれているため、手を放すと自然に閉鎖するようになっています。
前述した開閉金物と組み合わせることで、扉の開閉に自閉機能を組み合わせることができます。
自閉式扉に利用されている金物には次のような種類があります。
ドアクローザー
自閉式扉用の開閉金物一つ目は、ドアクローザーです。
ドアクローザーは、
枠に取り付けたアームと戸に取り付けた本体で構成され、扉を手で開くと自動的に閉鎖する機能を備えています。
ピポットヒンジを扉上下に取り付けることで開閉機能をもった扉に、ドアクローザーで自動閉鎖機能を付け加えた扉が事務所ビルの階段室などで用いられています。
フロアヒンジ
自閉式扉用の開閉金物二つ目は、フロアヒンジです。
フロアヒンジは、
扉の床下に埋め込まれたばねや油圧ピストンによって扉を自閉することができる装置です。
開閉を調整する機能は、ドアクローザーと同じですが、
重量の大きな建具、ドアクローザーの取り付けられない框のない建具などに利用されています。
ステンレス製のカバー部の下に鋼製の本体が埋め込まれています。
内外自由開きのタイプもあり、集合住宅、店舗のエントランス扉などに用いられます。
フロアヒンジは、単体で開閉機能も兼ねています!
ヒンジクローザー
自閉式扉用の開閉金物三つ目は、ヒンジクローザーです。
ヒンジクローザーは、
扉の下部吊元に自閉機能を内蔵したヒンジが取り付けられています。
開閉機能と自閉機能を兼ねています!
記事全体で、建具金物を開閉金物と自閉式扉用金物に分けて整理する方法を解説しました。
開閉金物は、
- 丁番(ヒンジ)【開閉】
- 自由丁番 【開閉+自閉!】
- ピポットヒンジ【開閉】
自閉式機能をもった開閉金物は、
- ドアクローザー 【自閉】
- フロアヒンジ 【自閉+開閉を兼ねる!】
- ヒンジクローザー【自閉+開閉を兼ねる!】
建具としの実用の仕方は、
- ドアクローザー単体では自閉機能しかもたないため、開閉金物と組み合わせて利用される。
など、扉に要求する性能と金物の機能を考慮して、単体や組み合わせで用います。