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屋外【アスファルト防水】絶縁工法と密着工法 全6種類まとめ

アスファルト防水には絶縁工法と密着工法があり、違いについて調べているが、そもそもアスファルト防水にはどれくらいの種類があるのか?

こうした疑問を解決するため、密着絶縁というキーワードから、計6種類の屋外アスファルト防水を以下の3項目に圧縮して解説しました。

1.屋根保護防水○○工法【○○密着(A-1、A-2、A-3)又は絶縁(B-1、B-2、B-3)】

2.屋根保護防水○○断熱工法【○○密着(AⅠ-1、AⅠ-2、AⅠ-3)又は絶縁(BⅠ-1、BⅠ-2、BⅠ-3)】

3.屋根露出防水○○工法【○○絶縁又は絶縁断熱】ー 屋根露出防水は絶縁工法のみ ー

屋外アスファルト防水について一通り把握できると思いますので、是非下記記事をご覧ください。

 

1.屋根保護防水○○工法【○○密着(A-1、A-2、A-3)又は絶縁(B-1、B-2、B-3)】

屋根保護防水工法は、防水層の上に保護コンクリートを施工する工法です。

密着工法と絶縁工法の違いは、防水層と下地の間に絶縁層を設けるか設けないかの違いです。

施工手順としては、まず防水下地を調整後、

  • そのまま防水層を施工【密着工法】
  • 絶縁層を配置した後に防水層を施工【絶縁工法】

となります。

最後に、防水層を保護するため、保護コンクリートを打設します。

密着工法の中には、A-1、A-2、A-3、絶縁工法にはB-1、B-2、B-3がありますが、これは使用する材料、工程数の違いによります。

B-1、B-2で使用される材料の例として、

【絶縁層】に用いられる砂付きあなあきルーフィングは、

【防水層施工】で流し込むアスファルトが、砂付きあなあきルーフィングのあなから流れ込み下地と部分密着することで、防水層と下地の絶縁を可能としたものです。

 

屋根保護防水密着工法 (A-1、A-2、A-3) 屋根保護防水絶縁工法 (B-1、B-2、B-3)
【下地調整】 【下地調整】
【防水層施工】◁密着断熱工法:次に断熱材敷込み 【絶縁層】           砂付あなあきルーフィング
 絶縁用シート 【防水層施工】◁絶縁断熱工法:次に断熱材敷込み
【防水層保護】 保護コンクリート  絶縁用シート
【防水層保護】 保護コンクリート

 

密着工法は、下地の全面に防水層が密着するため、防水の信頼性が高い。屋内防水密着工法として、施設浴室などにも用いられる。

絶縁工法は、下地に亀裂が生じた場合でも防水層の破断を防ぐことができる。

などの特徴があります。

 

2.屋根保護防水○○断熱工法【○○密着(AⅠ-1、AⅠ-2、AⅠ-3)又は絶縁(BⅠ-1、BⅠ-2、BⅠ-3)】

同じ屋根保護防水工法に断熱材を敷き込むパターンです。

この場合の密着工法と絶縁工法のどちらとも【下地調整】から【防水層施工】までは上記の断熱材を敷きこまない場合の密着工法、絶縁工法とそれぞれ同じ工程です。

断熱材を敷きこむタイミングは、

【防水層施工】の後に行い、絶縁用シート、【防水層保護】とつながります。

断熱材をスラブの外側に設けることから、外断熱防水となります。

 

3.屋根露出防水○○工法【○○絶縁又は絶縁断熱】 屋根露出防水は絶縁工法のみ

屋根露出防水工法は、保護防水とは異なり、最後の保護コンクリート打設がありません。

防水層の美観のため、仕上塗料を塗って仕上げます。

屋根露出防水工法は、保護コンクリートがないため、日射により下地から水分が気化しやすい。

という特徴があることから、

下地と防水層の間【絶縁層】で水分を移行させるため、絶縁工法のみとなります。水分は、脱気装置を併用して外気に拡散させます。

屋根露出防水の、屋根露出防水絶縁断熱工法では、屋根保護防水の断熱工法と異なる点が以下の3つあります。

  • 【断熱材張付け】のタイミングは、

保護コンクリートがないため、【防水層の施工】の前となります。【屋根保護防水は防水層施工の後!】

断熱材張付け、絶縁層、防水層施工、仕上塗料塗の順です。

  • 【絶縁層】の配置は、

断熱材張付けの後とします。断熱材を施工後、そのまま熱的なアスファルト防水層を施工すると防水層のふくれの原因になってしまうためです。【屋根露出防水絶縁断熱工法以外は、下地調整後に配置!】

  • 防湿層の配置は、【屋根露出防水絶縁断熱工法のみ!】

下地から気化した水分が冷やされ、防水層、断熱材間で内部結露が発生するのを防ぐため、断熱材の下には防湿層を設置します。【寒冷地で注意】

 

屋根露出防水絶縁断熱工法も、断熱材をスラブの外側に設けることから、外断熱防水となります。

 

屋根露出防水絶縁工法(D-1、D-2) 屋根露出防水絶縁断熱工法(DⅠ-1、DⅠ-2)
【下地調整】 【下地調整】
【絶縁層】 【防湿層】内部結露防止
【防水層施工】 【断熱材張付け】
【仕上塗料塗】防水層の保護・美観 【絶縁層】断熱材気泡による防水層のふくれ発生防止
【防水層施工】
【仕上塗料塗】防水層の保護・美観

 

屋外でのアスファルト防水についてのまとめです。

屋根保護防水は、

  • 屋根保護防水密着工法+屋根保護防水絶縁工法と断熱工法である、屋根保護防水密着断熱工法+根保護防水絶縁断熱工法

 

屋根露出防水は、絶縁工法のみ。

  • 屋根露出防水絶縁工法+屋根露出防水絶縁断熱工法。

 

理由は、下地の水分を絶縁層から脱気装置を通して外気に拡散させるため。

 

参考書籍

公共建築工事標準仕様書 建築工事編 (令和4年版)


建築工事監理指針 令和元年版上巻

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