この記事では、物流施設を例にして、構内舗装がどのような材料や路盤で構成されているのか解説をしています。
まず、構内舗装とは、車や人が通行する建物の外構部分のことです。
種類としては、
アスファルト舗装
コンクリート舗装などがあります。
物流施設では、10tロングなどの大型トラックが通行します。
重さにすると車両総重量約25tほどの荷重が表層の舗装を通して、路盤、路床へかかることともあります。
今回は、4tロングで車両総重量8t程度の中型トラックを基に構内舗装の検討を行います。
構造計算などは行わず、私たちの廻りに提供されている情報から予測を立てていきます。
舗装には耐久性に優れるコンクリート舗装を採用し、得られる情報内の最大厚さで計画を立てていきます。
コンクリート舗装断面の想定
コンクリート舗装の断面は、上から順にコンクリート版、路盤、路床で構成されます。
表層のコンクリート版から順に検討をしていきます。
コンクリート版 【舗装】
コンクリート版は、5t以上の大型車両が通行する場合、構内舗装・排水設計基準では20cm以上とするとされています。
また、一般にコンクリート厚さは、20cmから30cmとすると日本道路協会の情報で提供されています。
今回は、4tロング、車両総重量約8tの通行のため、20cmで計画を立てておきます。
溶接金網
コンクリート版には、補強のため溶接金網の敷き込みと、必要に応じて、目地を設けます。
溶接金網のサイズは、鉄線径6mm、網目寸法150mmを標準とします。
厚さ20cmの場合は、表層から1/3程度の位置に設けます。
目地
目地についても標準間隔が定められて、縦方向は、先に舗装したコンクリート版と後から舗装した舗装したコンクリート版の境となる部分に設けます。この施工間隔とも言える目地間隔は、おおよそ5mとされています。
横方向の目地は、連続して舗装するコンクリートに設置することから、縦方向より収縮が大きいと考え、やや狭めの3m程度で設置します。
路盤 クラッシャラン 【舗装】 下層路盤にはクラッシャラン、上層路盤には粒度調整砕石にセメントや石灰を混合したものなど
次に路盤の厚さは、どれくらい必要か確認します。
構内舗装設計基準によると、路盤も5t以上の大型車両が通行する場合、20cmを標準とします。
今回は、コンクリート厚さを20cmで仮定したため、コンクリートを支持する路盤は余裕を見て25cmにしておきます。
なお、路盤とは、搬入した砕石を敷きならし、締め固めた層のことです。
細かく分けると上層、下層に分かれ、下層は粗めのクラッシャラン、上層には、きめ細かい粒度調整砕石を敷き、締め固めます。
路床 改良のため構築した路床・現地盤 【路床】
最後は、路床の検討です。
路床は、地盤試験を行い、十分強固な地盤であれば、現地盤を利用できるものとされます。
一方不安定であれば、安定材を添加混合して構築路床を構成します。
以上、敷地内に4tロングが通過するケースとしの検討を行いました。
懸念事項としては、
車両総重量は約8tになるため、更に断面に安全を見る必要がないかという点や、端部補強筋の必要性など配筋に関するものがあげられます。
参考