この記事では、建築工事の見積書の見方について、解説しています。
まず前提知識として、工事費の構成について解説した後に、見積書の見方を解説します。
▷工事費の構成~直接工事費と共通費に分類~
直接工事費~個別性の高い費用~
共通費~間接的な費用~
▷見積書の構成
種目別内訳
科目別内訳
中科目別内訳
細目別内訳
工事費の構成~直接工事費と共通費に分類~
工事費とは、建物の建設にかかるトータルの費用のことです。
大きく分けると、直接工事費と共通費の2つに分類され、その合計に消費税を加えることで求められます。
直接工事費~個別性の高い費用~ 直接仮設(足場・養生)+○○工事(土工事・防水工事)
次に直接工事費と共通費には、具体的にはどのような費用が含まれているのか見ていきます。
直接工事費は、直接仮設に始まり、土工事、鉄筋工事、防水工事といった建物をつくるために必要な各種○○工事の合計費用となります。
直接仮設は、建物の規模や配置によって個別に計画が必要なもので、足場や養生にかかる費用が該当します。
共通費~間接的な費用~ 共通仮設費(仮囲い・場内警備員)+現場管理費+一般管理費
一方共通費は、仮囲い、場内警備員のように工事を補完する間接的な費用のことをいい、共通仮設費、現場管理費、一般管理費から構成されます。
工事費の基本構成は以上となり、次に見積書の見方について解説をしていきます。
見積書の構成
見積書は、種目、科目、中科目、細目の4つに分けて構成されます。
イメージとしては、工事内容を種目別内訳で分けた後に、科目、中科目、細目と順に金額をより明細に記入していく形式となります。
種目別内訳
まず、一つ目の種目別内訳では直接工事費を工事内容に合わせて分類します。
分類の仕方は工事内容によって異なるため、設計図に従って行われています。
例えば、主体工事や、屋外工事、改修工事、とりこわし工事のように分けて一式の金額を計上します。
改修工事であれば、より分かりやすくするため、屋上改修工事、外壁改修工事のように分けて金額を計上することもあります。
科目別内訳
2つ目の科目別内訳では、種目別で分けた項目を更に詳しく分類します。
例えば、種目別で主体工事の直接工事費を一式で計上したとします。
科目別内訳では、より詳細に直接仮設と土工事、防水工事などの各種○○工事にいくらかかるかが読み取れるまで金額を記入します。
金額の計上の仕方は、直接仮設一式の金額、防水工事一式の金額という風に記載されます。
ここまでで、主体工事にかかる直接工事費の内、直接仮設と土工事、防水工事などの各種工事の内訳金額までが読み取れることになります。
中科目別内訳
中科目別内訳は、科目別内訳をもう一歩詳しくしたものです。
例えば、防水工事であれば外部と内部に分けて金額を計上します。
細目別内訳
4つ目の細目別内訳は、中科目で記入した直接仮設と外部、内部に分けた防水工事の金額を更に詳しく計上します。
例えば、直接仮設の場合、養生、外部足場、内部足場の金額までわかるように記入します。
防水工事であれば、アスファルト防水又は、シート防水とするのか、防水種別を明記したところまで、金額を記入します。
金額の計上の仕方は、養生一式いくら、外部足場一式いくらという風に記載されます。
以上が、見積書の大きな4つの構成要素である種目、科目、中科目、細目と金額の見方についての解説となります。
【参考書籍】
平成31年版 公共建築工事積算基準