工事費の算出は次のような方法で行われています。
①部材の単価に図面から拾う数量を掛け合わせた金額に労務費等を加えていく方法
②市場単価を採用する方法。市場での取引価格を調査した結果を活かし一括で入れてしまおうという方法
以下の記事では前者について解説しています。
▷【工事費の算出】単価×数量+労務費等
単価 | 建設物価による単価
労務費 | 歩掛りによる単価
【工事費の算出】単価×数量+労務費等
単価 | 建設物価による単価
工事費算出の基となる単価は、建設物価等の価格情報誌の単価を採用します。
資料に記載のない単価はメーカーから徴収した単価を採用します。
公共工事では見積徴収のメーカー数も指定されています。
以下では、主要資材として定められるH形鋼の単価を記載しました。
中幅H-588×300×12×20(スパンの大きい梁)の関東地方の価格
79,000〜83,000円程度 (kg/m)
規格品であるH形鋼(ビルドH以外)は、単位質量kg/mあたりの価格で掲載されています。
この単価に図面から拾う数量を乗じるとH形鋼の金額が算出されます。
労務費 | 歩掛りによる単価
ここまでで、部材の単価と図面に記載された数量からその材料自体でかかる金額を算出しました。
以降は、型枠工、鉄筋工等の施工によってかかる労務費を算出し、材料にかかる金額に合算します。
労務費を算出する場合、歩掛りという係数を利用します。
歩掛りは、ある仕事を処理するのに一日(8時間)の内どれくらいの人手がかかるかを示したものです。
1日かかる場合は1人工、半日(4時間)で終わる場合は0.5人工です。
例えば、型枠工がルーフドレン1箇所を設置するとします。
その場合の歩掛りは0.1人工とされています。
つまり、0.1人分(0.8時間分という理解でも可能)で作業が完了すると定められています。
型枠工にかかる単価(公共工事設計労務単価)は、約25,000円です。
この金額に0.1人工を掛け合わせることで型枠工にかかる労務費は約2,500円となります。
算出した労務費と材料の単価、更には職種ごとに定められたその他費用を加える(積上げていく)ことにより、ルーフドレン1箇所にかかる単価が求まります。
後は、図面上から読み取れるドレン個数を乗じることでルーフドレン施工にかかる費用が求められます。
参考書籍