今回は、用途地域、建蔽率、容積率、直通階段の数と歩行距離の要点・まとめです。
【計画・法規の参考動画・NOTE】
【Building Standard Law of Japan】 Q&A
【設計の軌跡】最上階露天風呂から街並みを一望するホテル~スーパー・店舗併設
用途地域
敷地が2以上の用途地域に属する場合は、過半の属する用途地域を適用させます。
「別表第2(は)項に掲げる建築物以外の建築の用途に供するもの」の言い回しについて。
(は)項に記載されている用途だけでなく、(は)項に記載の階数、床面積もチェックします。
その上で、(は)項に該当しなければ、「別表第2(は)項に掲げる建築物以外の建築の用途に供するもの」になります。
建蔽率
建蔽率の検討の際には、次の2点に該当する場合、加算があることに注意します。
- 防火地域、準防火地域内の耐火建築物。
- 街区の角地として指定された敷地。
敷地が2以上の用途地域にわたる場合の建蔽率
建蔽率の上限は、敷地の面積比に基づいた加重平均となります。
容積率
容積率の検討の際は、次の点に注意します。
- 前面道路の幅員が12m未満であるか。
- 幅員15以上の特定道路がある。
- 昇降路、共同住宅の共用部などの除外部分の算定。
【検討の時短】
前面道路が特定道路である場合は、その時点で前面道路幅員が12m以上あるということになります。
つまりは、その時点で前面道路幅員による容積率の検討は不要なとり、指定容積率を採用できます。
昇降路は、容積率算定の延べ面積に用途を問わず含めません。
直通階段の数と歩行距離
建物には、地上まで通じる直通階段を一定の歩行距離以内に設置します。
階段までの距離が離れていては、避難時に支障があるためです。
こうした適用を受ける建物は、物品販売業を営む店舗や、共同住宅で、階数が3以上の建物などが該当します。
物品販売業を営む店舗の売場の場合
物販店舗の場合、床面積の合計が1,500㎡を超え、避難階以外の階に売場がある場合、避難階に通じる直通階段を2以上計画します。
売場から各直通階段に至る歩行距離は、30m以内とします。
但し、耐火構造の建物であり、避難経路を準不燃材料以上で仕上げていれば、10mの緩和があり、40m以内になります。
この30m、40mという距離に関しては、売場ほどの広い空間では、偏った計画になると30mをオーバーしてしまう感覚をもっておいていいと思います。
参考になる計画図はこちらをご覧ください。
NOTE【設計の軌跡】最上階露天風呂から街並みを一望するホテル~スーパー・店舗
一つの階段がなくなるだけでも30mを超えてしまいます。
店舗売場からの直通階段までの歩行距離、重複距離も明示しています。
【短文Q&A動画】
動画【Building Standard Law of Japan】 Q&A