この記事では外壁タイルの改修工法について
▷ひび割れ
▷浮き
について記事にしています。
大きく分類するとひび割れに対しては、注入し隙間を充填する。
浮きに対してはアンカーピンで躯体からタイル仕上げ間の密着性を高める工法が取られています。
外壁タイルの改修工法
ひび割れ:樹脂注入・Uカットシール材充填工法
タイルのひび割れは、目視調査ではひび割れがどの層まで及ぶのか判断しづらい内容です。
改修工法の例として、ひび割れが構造躯体まで及ぶ場合は、樹脂やシールを注入する工法となります。
改修工法選択のフローとして、以下のようなケースを取り上げます。
//は、//の左右に記載したどちらかを選択するという意味です。今回は太字に当てはまる場合としています。
ひび割れの発見→タイル陶片のひび割れ//目地部分のひび割れ→構造体のコンクリートに達するひび割れを含む//含まない→構造体コンクリートのひび割れ幅が0.2mm以上//0.2mm未満→樹脂注入工法・Uカットシール材充填工法のいずれか
上記は構造体のコンクリートに達するひび割れを含む場合の改修工法です。
その場合、
樹脂注入工法という、ひび割れ部に器具を用いて樹脂を直接注入する改修工法。
Uカットシール材充填工法という、躯体をU字型に溝切を行ってから、シーリング材やエポキシ樹脂で充填するという改修工法。
のいずれかを選択します。
工法の適用のチェックポイントとしては、ひび割れ幅が1.0mmを超えるなどの条件が揃う場合はUカットシール材充填工法を選択します。
浮き:浮きに対してはアンカーピンで固定する
タイルの打診検査を行い、周囲と比べ乾いた音がした範囲はタイルが浮いている箇所です。
設計の調査時ではタイルの乾いた音から浮いている範囲を㎡又は枚数で記録しておくと改修フローに沿って改修工法の計画が立てやすくなります。
浮きの場合の改修工法は、アンカーピンで固定する工法となります。
それ以降の具体的な工法の選択は、浮いている箇所の面積により変わります。
例えば、構造体コンクリートとモルタル間で浮きが0.25㎡以上ある場合、アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法となります。
この工法は、改修後のタイルのはく落を防止するための工法です。
構造体の耐久性の確保まで見込む場合はアンカーピンニング全面エポキシ樹脂注入工法などが採用フローとなります。
アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法
タイル浮き範囲にピンを挿入し密着性を高める工法です。
構造体に挿入したアンカーピンはエポキシ樹脂で固定します。
特記仕様書にはアンカーピンの単位面積当たりの本数が一般部と指定部(庇のはななど)に分けて指定されています。
参考書籍
新品価格 |