この記事では、給湯器の出湯能力である号数とガス消費量の関係。
開放燃焼式、半密閉式などのガス機器の給排気方式について解説しています。
▷給湯器のガス消費量
▷給湯器の出湯能力号数とガス消費量の変換
▷ガス機器の給排気方式
屋外式
開放燃焼式
半密閉燃焼式
密閉燃焼式
ガス機器の給排気方式一覧
給湯器のガス消費量
給湯器のガス消費量は、kWで表示されています。
wは仕事率(電力)を表す単位です。
給湯器の出湯能力号数とガス消費量の変換
給湯器の出湯能力は号数で表されます。
1号は、1分間に1リットルの水を25℃温度上昇させることができる能力です。
1時間(h)当たりでの能力は、
1(号)=1(リットル)×25℃×60(min)=1,500(kcal/h)
1kW=860kcal/hより、1号あたりのガス消費量は、
1(号)≒1.74kWとなります。
なお、上記の計算は、
1(kcal)=4.19(kJ)
1(kJ/h)=1/3600(kW)
より、
1,500(kcal/h) × 4.19[kJ/h] ÷ 3,600≒1.74kW
のように、エネルギー量を表すJを仕事率(電力)を表すwに変換することで計算することもできます。
なお、熱効率を考慮して余裕率を見込むと1号当たり2.21kWのガス消費量が目安となります。
例えとして、1DK27㎡の共同住宅で16号の給湯器を利用するとします。
この場合の加熱能力は、
16(リットル)×25℃×60(min)=2,4000(kcal/h)
1kW=860kcal/hより、16号あたりのガス消費量は、
16(号)≒27.91kW
この値に余裕率を見込みます。
都市ガス用のガス管に13Aを用いると、ガス消費量は33.4kW程度のメーカー製品などが用いられています。
ガス機器の給排気方式
上記のガス機器の給排気方式には、全6種類あります。
給気、排気に関して、自然通気力を利用するのか、送風機による強制力を利用するのかで種類が分かれてきます。
屋外式【給気:屋外 排気:屋外】機器自体を屋外に設置
屋外設置タイプは、開放廊下PSなどに設置し、屋外で給排気を行うタイプです。
一方、屋内設置タイプには、以下の開放燃焼式と半密閉燃焼式と密閉燃焼式があります。
開放燃焼式【給気:屋内 排気:屋内】
燃焼用の空気を屋内からとり、燃焼用排ガスも屋内に排出するもの。
キッチンのコンロなどが該当します。
半密閉燃焼式【給気:屋内 排気:屋外】
燃焼用の空気は屋内から取り入れ、燃焼排ガスは屋外へ排出します。
その排気方法により以下の自然排気と強制排気の2種類に分類されます。
自然排気式、Conventional Flue
燃焼排ガスを自然通気力によって排気筒を用いて屋外へ排出するもの。
こちらが従来からのタイプです。
自然排気のため、湯沸器から外部に繋がる排気筒へは最短の距離が望ましくなります。
2つ目は、
強制排気式、Forced Exhaust
排気用送風機を用いて屋外へ強制排気する方式。
排気筒の途中に排気用送風機を取付け、多少の排気距離もまかない強制排気する方法。
排気用送風機を機器内に組み込んだFE式ガス機器を用いる方法。
があります。
密閉燃焼式【給気:屋外 排気:屋外】
燃焼用空気を屋外から取り入れ、燃焼排ガスも屋外へ排出します。
自然通気力を利用して給排気を行う自然給排気式と給排気用送風機を利用して強制的に給排気をする強制給排気式に分かれます。
具体的には以下のように給排気ダクトなどを用い、強制排気式とする場合は、給排気用送風機を組み合わせます。
ガス機器の給排気方式一覧
屋外 屋外式【給気、排気:屋外】
Roof Top Flue
屋内 開放燃焼式【給気:屋内 排気:屋内】
半密閉燃焼式【給気:屋内 排気:屋外】
自然排気式 Conventional Flue
強制排気式 Forced Exhaust
密閉燃焼式【給気:屋外 排気:屋外】
自然給排気式 バランス外壁式 Balanced Flue-Wall
バランスチャンバ式 Balanced Flue Camber
バランスダクト式 Balanced Flue-Duct
強制給排気式 強制給排気式 Forced Draft Balanced Flue-Wall
強制給排気ダクト式 Forced Draft Balanced Flue-Duct